日本工学院八王子専門学校・チーム『Tシャツデザイン総選挙2nd』インタビュー記事

アシアル情報教育研究所・所長の岡本です。

第4回専門学校HTML5作品アワードで実用賞を受賞した日本工学院八王子専門学校のチーム『Tシャツデザイン総選挙2nd』にインタビューを行いましたので、その模様をお伝えいたします。

なお、チームの制作物はWebサイト上で閲覧できますので、ぜひ、アクセスしてみてください(投票は終了しており、現在は結果発表のページになっております)。

東京八王子ビートレインズTシャツデザイン総選挙2nd

なお、選挙で選ばれたTシャツの販売も開始しており、売れ行きは好調と伺っております。

インタビューの背景

  • コンテスト参加校・各校より『他の学校の様子が知りたい』という声があった
  • 当コンテストの実用賞※としても、過去最大級の制作事例だった
  • 学校と制作事例が両方とも八王子市に関連しているから(というのは偶然です)

取材対象

  • 日本工学院八王子専門学校のWebクリエイター科(3年制)の2年生チーム
  • 作品は『東京八王子ビートレインズTシャツデザイン総選挙2nd』
  • 八王子市を本拠地としているプロバスケットボールチームである『東京八王子ビートレインズ』のTシャツ総選挙・特設サイトを制作
  • 特設サイトはTシャツのデザインに一般の方が投票を行うサイト
  • 実用賞を受賞
  • 企業賞としてLPI-Japan賞も受賞している

補足:実用賞について

  • 実際に実用化されており利用者がいる作品が受賞できる賞です。
  • こちらの賞を受賞するためには「実用的な作品」なだけでなく、「多くの人に実際に使用された実績」が必要となります。
  • 対になる賞として「アイディア賞」が存在します。

インタビュー記事におけるメンバー

聞き手

  • 岡本 (八王子市にある妻の実家でマスオさん状態、我らが所長
  • 濱野 (宮城県で一旗揚げると言っていたのに、八王子に会社を設立した IMAKE 社長 濱野 将

話し手

  • 藤田祐子(教員
  • 落合一揮(コーディング担当
  • 藤野恵衣(デザイン担当
  • 酒井菜摘(広報担当

インタビュー内容

以下、インタビュー本編です。

チームとプロジェクトの概要

濱野:本日は宜しくお願いします。まずはチームの概要について教えてください。
藤田:チームは全員で11名、コーディング班・デザイン班、他に広報班もいます。
岡本:だ、大規模プロジェクトですね。よく、チームがまとまりましたね。
濱野:うちの社員数より多いですね。役割分担はどうやって決めたのですか?
藤野:藤田先生が学生の得意分野や志向に応じて、アサインしました。役割分担がうまくいったので、成果が出せたのではないかと思います。
濱野:広報班ってのは、何をやるのですか。
藤野:今回のサイトはTシャツデザインの投票を一般から募るサイトですので、それに合わせて広報活動を行っています。

プロジェクト進行の話

濱野:プロジェクトのスケジュールは、どのような進行で進んだのですか?
藤野:企画自体は後期の授業の一環として、9月ぐらいからはじまりました。サイトのオープンが1月上旬で、一般の方の投票期間が1ヶ月。ですので、11月末からリリースまでの約1ヶ月が、とても忙しかったです。
岡本:いわゆるデスマーチ、ですか
藤田:コーディング担当の落合が、そのあたりは一番、語れると思います。
岡本:当時にタイムマシンで戻れるなら、チームに対してどんなアドバイスを行いたいですか?
落合:投票受付のシステムでPHP言語を使っているのですが、当時、PHPの使い方を全く分かっていなかったので、PHPを教えて上げたいです。
岡本:投票結果を管理するデータベースあたりで大変だった感じですか?
落合:はい、そうです。PHPは授業のカリキュラムには組み込まれていなかったので、詳しい講師の人に相談したりしながら、頑張って勉強しました。
岡本:実際の仕事でも、プロジェクトに必要になったから特定の技術を学ぶ。というのは良くありますよね。
濱野:HTML5xCSS3xJavaScriptは学校で学んだ感じですか?
落合:はい、そうです。

濱野:ツールは何を使用しているのですか?
落合:ツールはAdobe Dreamweaverを使いました。PHPの方ではMAMPですね。学校のPCがMacですので。
濱野:11人も居たら情報共有が大変だと思いますが、プロジェクト管理ツール等は何か使われましたか?
落合:実は使っていません。連絡ツールとしてSlack(チームチャット系のツール)は使いましたが、いわゆる、プロジェクト管理ツールは使っていませんし、Githubのようなソースコード管理ツールも使っておりません。
濱野:ソースコードのコンフリクトとか発生しませんでしたか?
落合:いや、起きませんでした。
濱野:役割分担が良くできていたのでしょうね。
岡本:Zoom(オンライン会議システム)は?
落合:今回の授業は対面でしたので、Zoomの出番もありませんでした。
藤田:教員側から見て、Slackによる情報共有は頻繁に行っているのを確認しております。また、Googleドキュメントによる情報共有が行われていました。
岡本:なるほど。あと、合計11名という大所帯でのチームワークに興味があります。コーディング班のメンバー数とチームワークについて教えてください。
落合:コーディング班のメンバーは合計4名です。チームワークについては、得意分野を得意な人に任せました。また、得意な人が居ない分野は、チームで対応しました。
濱野:広報班はどんな感じですか?
酒井:専門学校HTML5作品アワードのエントリー動画を造ったのが広報班です。それと学内コンペでも活躍しています。また、実際の広報活動はTwitterをご参照ください。SNS上で広報活動をしております。
濱野:専門学校HTML5作品アワードにエントリーしていなければ、このインタビューも無かったので、広報班は重要な役割を果たしましたね。

デザインの話

濱野:デザインのツールはなにを使いましたか?
藤野:Adobe Illustratorと、写真素材の切り抜きにAdobe Photoshopを使っています。
濱野:デザインのところで拘った点はどこ?
藤野:去年の投票サイトが『学生の若さ・パッションをメインとした、明るいデザイン』だったのですが、今年は『東京八王子ビートレインズの印象』をもっと全面に持ってきたデザインにしました。
岡本:取材はされたのですか?
藤野:取材は行っていませんが、『東京八王子ビートレインズ』のマネージャーの方々からレクチャーを受けております。また、文献による調査はばっちり行いました。
岡本:あれ、藤田先生、Tシャツ投票サイトは去年のバージョンも存在したのですか?
藤田:はい、去年もやっています。学内でコンペを開いて、『東京八王子ビートレインズ』のマネージャーの人達が審査をして制作チームを決定しています。
岡本:学内での選抜があって、更に学外の人達が依頼主として存在しているという、実践的なプロジェクトとしてサイトが作られているのですね。

濱野:俺もかつて専門学校に通っていたけど、そこでは技術しか学べず、デザインを行うコンセプトなどについては学べなかった。実践的なプロジェクトをあなた方のように学校で学べるのがうらやましい。
貴校のような実際のプロジェクトを通じて学べる学校がもっと増えると嬉しいな。

八王子市は熱い企業や団体が多い話

岡本:地場の団体とコラボしてプロジェクト型の学習(PBL)が行えるのは良い取り組みですね。実践的な教育が増えると、弊社のツールも教育現場で使って貰いやすくなるので、もっともっと広がって欲しい。
藤田:八王子市は熱い企業が多いんです。企業側から学校にアプローチ頂くことも多くて助かっています。また、八王子まつりのポスターを本学の学生がつくっていたりもします。
濱野:俺も八王子市内でデザイン会社をやっているので、インターンとか、考えたい。

最後に:学生達から一言

岡本:学生の皆様に、コメントや将来について話して貰って良いでしょうか?
落合:今回のプロジェクトは良い経験になり、力も身につきました。とても感謝しています。また、自分はデザインやイラストが好きなのでWebデザイン系に進みたいと考えています。
藤野:コンテストで実用賞を頂き、自分の活動が世に通用した感触を得ました。これが人生の糧になり、このさきも頑張っていけると感じています。将来ですが、デザイン系・動画広告の世界などに進んでいきたいと考えています。
酒井:自分も自信がつきました。普段、ミュージックビデオやモーショングラフィックスのためにAdobe After Effectsを弄っています。将来は企画がしたいので広告代理店を考えています。
岡本:本日はインタビューにご協力いただきありがとうございました。

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