看護学校におけるプログラミング教育の動機付け – 皆月昭則先生インタビュー記事

MonacaEducation担当の岡本です。
釧路公立大学の皆月昭則先生にインタビューを行いましたので、その時の模様を記事として公開いたします。

岡本「いつもMonacaをご利用頂きありがとうございます。」
皆月「今年の後期(釧路公立大学のプログラミング論B)は既に250人以上が履修登録済みで、まだまだ伸びそうです。」
岡本「去年より増えていますね。」
皆月「数年前は数十人だったのですが、年々増えています。学生の間で”この講義を取るとアプリが作れる”と口コミで広がっていて。」
岡本「Monacaですからアプリは作れますが、そんなに人気になるものなのですか。」
皆月「学生の間での会話を小耳に挟んだことがあります」

学生A「お前に作れるわけがない!」
学生B「いや本当に作れる、デバッガーアプリで表示するからこれをみてくれ」
学生A「うわ、これお前が作ったの?」

皆月「と、このような感じで口コミが広まっているようです。」
岡本「なるほど、学友が実際にアプリを作れていると現実味が増すわけですね。」

看護学校での展開

岡本「皆月先生は釧路の看護学校でも看護情報学を教えているそうですが」
皆月「はい、医療アプリの開発や国家試験対策アプリの開発をさせています。情報処理学会 第81回全国大会でも発表しています」

看護学科におけるプログラミング教育を導入する試み-マタニティ支援アプリ開発を起点にした看護学生への情報教育 PDF

岡本「プログラミングを積極的に学ぶようにすることが課題なのですね」
皆月「ええ、このサイトでも取り上げられている”マタニティ支援アプリ開発”を起点に、動機付けを行っています。非情報系の学生によるアプリ開発・改良の話をすると看護学生達は驚きます。」
岡本「なるほど。」
皆月「アプリ開発を通じて妊婦の健康支援をしている活動のストーリーは、看護学生達の心に響いているようで、プログラミング技術への興味関心を高めるのに役立っています。」
岡本「看護学校の授業では、どのように授業を進めているのですか?」
皆月「基本はMonacaの青い入門書を使っています。15回ある授業のうち、12回は1~12章を一つずつ。90分の講義のうち60分が解説で30分が実習です。」
岡本「15回の中でアプリも開発するのですか?」
皆月「付録のサンプルカメラアプリを元に褥瘡の状態記録アプリを作ったり、BMIアプリをBMI以外の定式に変えたアプリにしたりしています。」
岡本「なるほど、そのように活用されているのですね。」
皆月「それと、学生の評価は開発課題と作品発表にしています。」
岡本「試験の代わりに開発課題があるわけですね。」
皆月「詳細は論文に書いてありますが、看護師国家試験対策アプリを開発させています。」
岡本「以前試験アプリのサンプルをご提供させて頂きましたが、良い感じに改良されていますね。」
皆月「看護学科での試みは、看護の専門性分野を活かしたり、実際に使うことで学びの積極性を引き出しています。」
岡本「アプリの開発会社が不要になりそうですね。」
皆月「いや、実際の開発はプロに任せたいですが、プロトタイプの開発を通じて問題を発見したり要件を明確にする力は身につけさせたいのです。」
岡本「そこでMonacaによるアプリ開発が、学びの積極性に繋がるわけですね。ありがとうございます。」

その他メモ

以下、皆月先生から伺った話や釧路公立大学の情報です。